コラム/TVドラマ(海外)

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2010年7月 4日 (日)

弁護士の良心と平和憲法

AXNで放送中のドラマ「弁護士イーライのふしぎな日常」は、脳動脈瘤の影響で予知夢(幻覚)を見るようになった弁護士イーライが、金儲け主義者から弱者救済の弁護士へと変化していくというハートウォーミングコメディ。コメディとしての面白さはさておき、登場人物それぞれのセリフから考えさせられることが意外と多いドラマである。

第12話「運命の木曜日」では、イーライが所属する弁護士事務所の代表であるジョーダンが、大口顧客(利益優先で弱者を切り捨てるような大企業)からの依頼を断り続けるイーライを反対派から守ろうとした時のセリフがいい。

「このところ、イーライは確かに、大口の依頼を断って弱者の案件ばかり担当しています。しかし私が彼を解雇しないのは、脳動脈瘤だけが理由ではありません。彼が、この事務所にとって必要な人間だと思っているからです。彼は、私たちが忘れかけている弁護士の良心を思い出させてくれる。彼ような人物の存在が必要なのです」

このセリフを聞いて、平和憲法(第9条)を変えようとしている我が国のことを思い出した。あの条項を変えたり、無くしたりしてしまうのって、この国の“良心”を見えなくしてしまうことなんじゃないだろうか? あれが現実的ではないことなんて、百も承知である。でも、あれがあるからこそ、恒久の平和を決意したことを度々思い出せるんじゃないだろうか。いわば国家の良心である。国が暴走しないようにストッパーの役割をしてくれるものなのだ。そういう“精神の拠り所”みたいなものは、ただ存在するだけでいいのである。弁護士にとっての“天秤をかたどったバッヂ”みたいなもの、と認識すべきだろう。

ところで、いよいよ次週はシーズン1の最終回。イーライがついに手術を受けるのだが、アメリカではシーズン2も放送済みなので、手術が失敗という展開ではなさそうだ。この先のイーライと周囲の人間関係も気になるところだし、早く日本でも続きが見たいものである。

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