コラム/アニメ・吹き替え文化

アニメ、吹き替え文化、声優に関するコラムです。

2010年7月 8日 (木)

「声優」という職業はない?

アニマックス「創ったヒト」、今週と来週のゲストは大塚周夫さん。「ゲゲゲの鬼太郎」ねずみ男役ということで、鬼太郎役の野沢雅子さんと共に出演。

大塚さんは、“声優”という名称が生まれる前から外画の吹き替えなどで声の仕事をやっていた人である。アニメや外画の仕事を「俳優の仕事の一分野」という認識でいて、これまでもインタビューでは「“声優”などという職業はない。自分は俳優であり、声の演技はそのひとつ」と語っている。だから、今回のゲスト出演ではそのあたりをどう司会者側が運んでおくのかと思っていたら、思い切り「声優の大塚周夫さんです!」と紹介していて、観ているこっちがヒヤヒヤしてしまった。

こういうインタビュー形式の番組では、インタビューする相手の経歴を調べておくのは基本なわけだけど、それ以上に気をつけるべきなのは相手の信条・ポリシーを知っておくことだと思っている。今回の場合、番組が“声優”という職業を肯定している以上、大塚さんに対しては、最初に「大塚さんは声の仕事に関して、これこれのスタンスでいらっしゃいますが……」という切り口でエクスキューズしておくべきではなかっただろうか。このへんのことろは司会者よりも、台本を書いた構成作家の責任である。大塚さんはオトナだから、始終にこやかに受け答えされていたけれど、ケンコバ君や喜屋武ちあきちゃんが無邪気に「声優として……」と言う度に「うわわっ! 大丈夫か!」と心配してしまった。

まぁ、大塚さんがトーク番組に出るのは大変貴重なのだから、企画自体は良かったと思う。……けれど、ねずみ男ばかり取り上げないで、もうちょっとブラック魔王とか外画の話を聞いてもいいんじゃない?

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