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2010年7月19日 (月)

コラム【ベルーシの影を踏んだ男~クリス・ファーレイ】

今回はデブキャラで売ったコメディアンを取り上げてみる。

日本でもデブタレント枠というものがあるが、彼らは太っていること自体が商品価値であり、中途半端にダイエットなどしてしまうと途端に仕事が減ってしまうそうだ。何年か前に伊集院光が数十キロのダイエットに成功したことがあったが、その頃に映画出演のオファーをした監督から「太った男をイメージしてキャスティングしたのだから、体重を元に戻せ!」と叱られたらしい。

海外のデブ役者に関しては、(太っているが故の愛嬌というプラス要素はあるものの)デブであることが絶対条件というわけではない。求められるものは、やはり演技力やセンスである。その好例が、7080年代に強烈な個性で活躍したジョン・ベルーシだ。彼が通常の体型だったとしても、『ブルースブラザース』(1980年)はヒット作となったはずである(これは、近年日本でも知名度の上がったジャック・ブラックにも同じことが言える)。

さて、ここにジョン・ベルーシに憧れてコメディアンになったデブキャラ男がある。ベルーシと同じく「サタデー・ナイト・ライブ」に出演して人気者になったクリス・ファーレイだ。日本公開作品では『ウェインズ・ワールド』(1992年)と続編の『ウェインズ・ワールド2』(1993年)、日本未公開だがビデオ化された主演作『クリス・ファーレイはトミーボーイ』(1995年)、『プロブレムでぶ/何でそうなるの』(1996年)、『ビバリーヒルズ・ニンジャ』(1997年)あたりで彼の活躍を知ることができる。

ベルーシに憧れていたとはいえ、クリス・ファーレイの得意としたキャラクターは過激なキャラで売ったベルーシとは正反対の“愛嬌のある小心者のデブ”であった。彼の主演作は基本的に、「気の弱いダメ男が一念発起して大成功を収める(または事件を解決する)」というベタな設定であった。それでも、「クリス・ファーレイだからいいか」と観客を納得させてしまうところはデブキャラの強みである。

クリス・ファーレイが憧れたジョン・ベルーシは、33歳の若さで薬物中毒が原因でこの世を去った。そして、ファーレイもまた(繊細さによるストレスがたたり)薬物中毒で亡くなっている。皮肉なことに、ベルーシと同じ33歳だった。

2008年には『ビバリーヒルズ・ニンジャ』の続編制作が発表されたものの、今年になって監督側と投資会社側(韓国の会社だったらしい)とのトラブルによって暗礁に乗り上げたとの情報が入った。これでは、天国のファーレイも浮かばれないだろう。続編映画制作の難しさを思い知らされる話である。

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