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2010年7月22日 (木)

コラム【ブラウン管で暴れまくったデブキャラスター~ドリュー・ケリー】

9年間にわたってアメリカのテレビ界で絶大な人気を得たシットコム「ドリュー・ケリーDEショー!」(1995年~2004年)。主人公のドリュー・ケリーを演じたのが、キャラクターと同名のコメディアン、ドリュー・ケリーだ。というか、人気コメディアンが自分と同じ名前のキャラクターを演じるというのは、アメリカのシットコムではひとつのパターンになっている。

ドリュー・ケリーは、1991年にジョニー・カーソン司会の「トゥナイト・ショー」に出演してコメディアンとして頭角を現した。日本ではほとんど無名だが、90年代半ば以降のアメリカでは、彼の顔を見ない週はないくらいテレビに出まくっていたのだ。見た目は、太った体躯に黒ブチ眼鏡の中年男。どう見ても大スターの器とは思えないが、こういうキャラクターに人気が集まるところが幅広い人種を受け入れる大国ならでは。このドラマで演じられているドリューは、デパートの人事部に勤める中間管理職という設定だが、気の優しい小心者で、なんというか(スヌーピーの飼い主の)チャーリー・ブラウンが大人になったらこんな人物になりそう……と思わせるような人物なのだ。

「ドリュー・ケリーDEショー!」には、メインキャラクターにもうひとりデブキャラを配してして、キャシー・キニーという女性コメディアン演じるミミ・ボベックというキャラクターだ。ドリューの務めるデパートの社長秘書という設定なのだけど、“秘書”という言葉からは最も遠い外見を持った女性であるところがまず笑わせる。70年代の日本のドラマ「ムー一族」で樹木希林と岸本加世子が踊りながら「チビ、デブ、ブス」と唱えるギャグがあったけれど、まさにその3つが揃ったキャラクターなのである。しかも、その外見に加えて、性格が最悪なのだ。外見の良くない女性というのは、その分性格でフォローされたりするものだけど、ミミは執拗にドリューをいびりまくる。こんな救いようのない人物がこれまた人気を集めたりするところなんて、やっぱり大国アメリカだよなぁ。

さて、これほどの人気者なら映画に進出するのが当然と思えるけれど、ドリューは頑なにテレビを舞台に活躍を続けている。映画出演は、ブレイク前の『コーン・ヘッズ』(1993年)や声優として出演したアニメ『ロボッツ』(2005年)など、数える程度だ。彼自身のキャラクター“ドリュー・ケリー”がとにかくテレビでは引っ張りだこで、いわゆる“himself(本人)”でのゲスト出演が膨大な数で存在するのだから、テレビの王様として満たされたコメディアン人生なのだと思う。このへんのところは、(プロデュースから脚本、主演までこなすことも含めて)日本でいえば欽ちゃん(萩本欽一)のスタンスとよく似ている。

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