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2010年6月16日 (水)

コラム【黒人コメディ新時代を担うスターの台頭~ウェイアンズ兄弟】

7080年代に最も成功した黒人コメディアンのひとりにリチャード・プライヤーがいる。かのエディ・マーフィーも尊敬していたコメディ界の大スターだが、日本では『大陸横断超特急』(1976年)、『スーパーマン3/電子の要塞』(1983年)、『マイナーブラザーズ 史上最大の賭け』(1985年)、『ハーレム・ナイト』(1989年)くらいしか、公開作としては記憶されていないのではないだろうか。だからというわけでもないけれど、『スーパーマン3/電子の要塞』でクリストファー・リーブ(スーパーマン)とダブル主役という扱いでクレジットされていたのを見た時には、多くの日本人が「誰、この人?」状態だったはずである(実際にはアカデミー賞授賞式の司会を2度務めた大物なのだが、今と違ってアメリカ国内でのキャリアなど伝わってこないのが普通だった)。

さて、その大物コメディアンであるリチャード・プライヤーの伝記映画『Richard Pryor: Is It Something I Said?』(2011年公開予定)が製作され、当初はエディ・マーフィーがプライヤーを演じる予定だったが降板することに。そして、最終的に主役に抜擢されたのがマーロン・ウェイアンズという黒人コメディアンである。日本ではまだまだ知られていない人物だが、2000年以降の映画出演作を見ると『最終絶叫計画』(2000年)、『レディ・キラーズ』(2004年)、『G.I.ジョー』(2009年)など、話題作で重要な役どころで出演しているのがわかる。そして、ホラー映画のパロディ作品として好評価だった『最終絶叫計画』と続編の『最''絶叫計画』(2001年)では、マーロンと兄のショーン・ウェイアンズが脚本を担当し、長兄のキーネン・アイヴォリー・ウェイアンズが監督だった。彼らこそ、90年代以降のコメディ界で台頭してきている“ウェイアンズ兄弟”である。

余談だが、日本ではあまり話題にならなかった2作目の『最''絶叫計画』だけど、実は日本版ではオリジナル版から20分もカットされている。そのため、ストーリーの辻褄が合わなかったり、重要な伏線やギャグが殺されているのだ。障害者絡みのドタバタシーンだからとはいえ、コメディでこういうカットをしてしまう神経はいかがなものか。

マーロンとショーンの兄弟は、90年代半ばにスタートしたシットコム「The Wayans Bros.」(1995年~1999年)で主演し、全米に知られる存在となったのだが、ウェイアンズ兄弟が世に出るきっかけとなったのは「In Living Color」(1990年~1994年)だった。ジム・キャリーやジェイミー・フォックスといった面々を輩出した「In Living Color」は、「サタデー・ナイト・ライブ」とはまた違った才能を発掘したことで再評価されるべきだと思う。

現在、ウェイアンズ兄弟を中心に、その子供たちや親戚まで含めた“ウェイアンズ・ファミリー”が映画・テレビで俳優やスタッフとして活躍しており、まさに新時代を担う黒人コメディチームと言えるだろう。

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